東石(トーセキ)ブログ

HCFCの生産全廃について 2020年12月1日

今日は「化学」「洗浄」に関連するHCFC のお話です。

 

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HCFC(ハイドロクロロフルオロカーボン)とはフロンの一種です。

フロンはフルオロカーボン(フッ素と炭素の化合物)のことで、

HCFCの他にCFC(クロロフルオロカーボン)、

HFC(ハイドロフルオロカーボン)があります。

 

フロンは化学的にきわめて安定しており、

人体に毒性が小さいといった性質を有していることから、

エアコンや冷蔵庫などの冷媒をはじめ、精密部品の洗浄剤など、

様々な用途に活用され、特に1960年代以降、先進国を中心に、

爆発的に消費されるようになりました。

 

しかし、1974年に米国カリフォルニア大学のローランド教授が、

CFCによるオゾン層破壊によって、地上に到着する紫外線が増加し、

生態系や人の健康に影響を及ぼす可能性があることを発表し、

世界中で問題となりました。

 

その後、国際的な議論が行われ、

1985年にウィーン条約、1987年にモントリオール議定書が採択され、

オゾン層を破壊するフロンの生産量・消費量を

段階的に規制していくことが決まりました。

 

すでにCFCは2009年末で全廃され、

HCFCも先進国では2020年、新興国では2030年に

原則全廃することが決まっています。

 

CFC、HCFCは温室効果も大きい物質です。

CFC、HCFCの代替として、

オゾン層を破壊しないHFCへの転換が進められてきましたが、

HFCも二酸化炭素の数百倍から数万倍の大きな温室効果があり、

地球温暖化に影響を与えていることが近年問題となってきました。

 

2016年に、ルワンダのキガリにてモントリオール議定書が改正され、

温室効果が高いHFCについても、生産量・消費量の、

削減義務が課せられることとなりました。

 

お客様の中には、HCFC系やHFC系の製品を、

使用している事業者様もいらっしゃるかと思われますが、

上記にありますようにHCFCは2020年で原則全廃になり、

HFCも削減対象となっていますので、

ノンフロンの製品への切替えをご検討ください。

 

 

参考文献

・環境省ホームページ

・経済産業省ホームページ

・外務省ホームページ

・2019年版 17019の化学商品(化学工業日報社)